とあるデリヘルでドライバーになった話2話
皆さんは風俗業界にどのようなイメージを持っているだろうか?
「汚らしい」
「底辺の仕事だろう」
「私には関係ない」
色々あると思う。
僕はそんな風俗の世界にあえて飛び込んだ。
とある商店街の外れ
見た目にも怪しいビルの1階には潰れかけの飲食店が入っている。
そのビルの3階に僕は来ていた。
「風俗業界の経営者は多分ヤのつくような人なんだろうな…」
そんなことを思いながら株式会社Fの扉を開いた。
『君が広君か、へぇー、さぁそこに座ってよ。』
短く刈り込んだ髪はきちっと整えられ、口ひげを蓄えた強面の社長が僕を椅子へ座るように誘う。
面接を2時間ほどしていただろうか。
僕の経歴やなぜ風俗業界に入ろうとしているのかと興味津々に聞いてくる社長。
僕は赤裸々にすべて話した。
社長の話も聞いてみるとどうやら昔、大病を患い、まともに働けず病院生活を送っていたそうだ。
体調もだいぶマシになったので、自分で何か事業を立ち上げたい、ストックコストや廃棄コストが掛からない人件費のみで経営出来るものはないかと考えた結果、「デリヘル」を経営することを決めたらしい。
『僕の為に股を開いてくれる女性達がいるのって凄いことだと思わない?彼女達は色んな過去を持って生きているからお金が欲しい。その為に色んな事を我慢して頑張ってるんだ。彼女達はすごいんだよ。』
色々凄いと思った。
#フィクション
#小説