公認心理師えすえむさん

心理と趣味と思うこと

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

君はエリマキトカゲ

それから5年が経った。 私は色々あって職を転々としていた。 月に3万円の奨学金の返済。 引かれる保険料。貰えないだろう国民年金。 とてもたっぷり貯金が出来る状況ではなかった。 彼女は結婚に憧れていた。 盛大な結婚式ではない。 仲の良い友人を招いての…

君はエリマキトカゲ

僕は社会人になった。 ようやくモラトリアムから解き放たれ、その技量を発揮する時が来た。 仕事は楽しいことばかりではない。 上司に教えを請いながら、怖い看護師長に怒られ、ビクビクしながら病棟を行き来する。 僕らは何でも屋さん。 保険診療が取れない…

君はエリマキトカゲ

それから身体を重ねるのに時間はいらなかった。 世間で言う、そう。「セックスフレンド」だった。 会ってはお酒を飲み、コンディションが良ければセックスをする。 それだけの関係だった。 僕達の相性は良かった。 身体の相性をとやかく言えるほど、お互い経…

君はエリマキトカゲ

「久しぶり」 2つ下の彼女は僕と違ってもう社会人だ。 働きたくないだけの僕と違って立派に働いている。 久しぶりに顔を合わせる。 お互い食にはうるさいので、料理の美味しい無難なお店に行った。 彼氏と別れたので、話を聞いてください! 私は今夜は狼だな…

君はエリマキトカゲ

君はエリマキトカゲだった。 茶髪にスーツ。 高校を卒業したての新入生は顔が違うだけで、皆同じに見えた。 だけど、君は「エリマキトカゲ」だった。 胸元を華やかにしているフリルはまるでエリマキトカゲ。 僕は今でもあのデザインの名前を知らない。 憧れ…

スロット依存だった話Part4

私は体力が有り余っていた。 学校で講義やゼミをこなして スロットを打ち バイトを5つ掛け持って スロットを打ち 休みの日にはサークルに参加して スロットを打っていた 元々色々な事に手を出す事が好きで、同時に色んなことを抱えていた。 1つのことでプロ…

スロット依存だった話Part3

ボールは友達。 名言だ。 スロットは友達。 迷言だ。 スロットは面白い。 その上、1人で出来る。 私は麻雀も覚えていたが、時間もかかるし人が集まらないと出来ない。 スロットは気軽だった。 ちょっと暇な時に1時間だけ、2時間だけとスキマ時間に楽しめる。…

スロット依存だった話Part2

心理学の世界には条件付けというものがある。 詳しくは皆さんに調べて欲しい。 分かっていてもやめられない。 ギャンブルに限らず色々な事がやめられない人はこの世には多い。 私はその夜眠れなかった。 自分が普通に働いて稼いだものをあっという間に稼いで…

スロット依存だった話Part1

パチンコ・パチスロは遊戯です。 色んな大人の事情が含まれた言葉だ。 私は確かにスロット依存だった。 私は確かに条件づけられていた。 しかし、私はスロットは嫌いではない。 それだけは言っておきたい。 この作品はフィクションだったり、そうでなかった…