スロット依存だった話Part1
パチンコ・パチスロは遊戯です。
色んな大人の事情が含まれた言葉だ。
私は確かにスロット依存だった。
私は確かに条件づけられていた。
しかし、私はスロットは嫌いではない。
それだけは言っておきたい。
この作品はフィクションだったり、そうでなかったりします。
闇夜を照らす煌々とした光を放ちながらも高級感のある建物に私は友人に誘われて入っていった。
街の中や田舎のだだっ広い土地にどでかくたち聳えるそれはそれまでの私の人生に関係のないものだった。
自動ドアを抜けると耳をつんざくようなけたたましい音が私を痛いくらいに包んだ。
理路整然と台が並び、店員は貼り付けたような笑顔で会釈を繰り返している。
友人は呆然としている私を連れて1円パチンココーナーは連れて行ってくれた。
1円パチンコはその名の通り、「1円で1玉パチンコ玉を借りて遊戯が出来る。」というものだ。(1000円なら1000玉)
牙狼(ガロ)ファイナル
後々知ったが一時代を築いた名機。
その破壊力は規制された今では渇望するほどである。
右手の位置にあるハンドルを半分ほど回すと、カチャンカチャンとパチンコ玉が台の中で跳ね回る。
どうやら真ん中の開いた所に入ると回転するらしい。
1時間ほどいた。
500円があっという間に2万円になってしまった。(1円パチンコなのに)
私が汗水垂らして働いて時給800円。
25時間分を1時間で稼いだのだ。
手が震えた。
こんなに簡単にお金が増えるのか。
私は夢中になった。